2000年の半ばから、2年間の予定で長崎新聞に執筆することになりました。この機会を利用して、専門分野のフランス17世紀、とくにパスカルとラシーヌのことを書いてみようと思い立ち、連載を始めました。パスカルを中心に:2000年6月から2001年6月まで
最初の1年はパスカル、そのあとはラシーヌという計画で書き始め、ほぼ予定通り1年間パスカルをとりあげました。その後、ラシーヌの悲劇『フェードル』を中心に5回書いてから、2001年末になって新たな話題に移っています。
2002年はユーロの話題からはじめました。それから、言語と思考の問題を取り上げ、最後は再びパスカルにもどって2年間の連載を締めくくることになりました。
エッセイをお読みいただいた方からは、しばしば「むずかしい」という感想・ご批判をいただきました。私としては、できるだけ「わかりやすく」と努力したつもりですが、パスカルやラシーヌなど読者には普段なじみの無いテーマが多かったのと、私の取り上げ方が「きまじめ」すぎたという、その両方が原因して、難解で堅苦しい印象を与えてしまったようです。
ただ、この連載を通じて、日ごろ自分が考えていること、人にも伝えたいと思っていることを、少しは書けたように思います。こうした機会を与えてくださった長崎新聞社と、連載にお付き合いくださった方々に感謝申し上げます。
なお、原稿=「文章のみ」と新聞掲載=「画像ファイル」とで多少の違いがあります。漢字に読み仮名がつけられていたり、漢字と仮名が入れ替わっていたり、句読点の打ち方が変わっていたり、ときには文字や語句の書き換えがあったり・・・ 原稿が新聞に掲載されたときにどんな風に修正されたか、両者を比較してみるのも面白いでしょう。